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SIMPLONPASS

 シンプロン峠はスイスのヴァリス州からイタリアへ抜ける、紀元前からある古くからの街道です。19世紀初頭にナポレオンによって大改修されました。

 ローヌの谷にあるスイス側の街、ブリークから出発し、アルプや森を抜け、ガンターバッハの谷を走ります。谷の左側の斜面を走っていた道は、途中で近代的な白いコンクリート製の大きな橋を渡り、谷の右側に移ります。私はこの橋の印象が強く、この橋を振り返り見た風景が、ここシンプロン峠の思い出となっています。

 私は「第10日」のページで峠の頂上(2005m)には「数件の家しかない」みたいなことを書いていましたが、実際にはここにもホテルがあります。北側の景色はすばらしく、ローヌの谷の向こう側にアレッチホルンが聳えているのが見えます。アルプスの峠はどこでもそうですが、晴れていれば本当に貫けるように空が青く、空気がおいしいです。

 峠の頂上は国境ではなく、峠をイタリア方面へ約20kmほど下った「ゴンド」という小さな集落に国境はあります。ここへ至る道は北側と違い、コーナーもダイナミックに曲がっていて谷も狭くなってきます。ゴンドからはドモドッソラまで緩やかに坂を下っていきます。家並みがどことなく変わり、イタリアに入ったのだと実感させられます。

 今では、カートレインでブリークからドモドッソラまで車を列車に積み込んでヨーロッパ最長のシンプロン・トンネルで峠を越えてしまう人が多いのだそうですが、私からすれば本当にもったいない。あの風景を見ないなんて、と思います。

シンプロン峠より北を望む

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